漢文を読むコツなどありましたら… その②
前回の記事に続き、今回も自分がどういう経緯で漢文を学んでいったのか、
経験をつらつらと紹介していこうと思う。
前回の記事では当時初学者のすぐろが取り組んだ授業と勉強内容について話をした。
まとめると以下の通り。
・テキストは標点本『漢書』・和刻本『漢書』、工具書は『新字源』・『大漢和辞典』
・テキストで書き下しを行う。
・分からない熟語や単語はその場で、つぶさに工具書で調べる。
・これを継続的に1年ほど続けた
この結果、漢文を読む楽しさを知り、辞書で調べる癖がついた。
スポーツで言うなら基本的なフォーム作りと言ったところ。
すぐろの大学2回生はこんな感じで終わり。
そして3~4回生でもう少しだけレベルアップする。
■勉強会への参加
3~4回生では読解の授業を受けつつ、勉強会の参加も行った。
助教とすぐろと後輩の3名で歴代王朝が記録した倭人伝(日本の伝記)を読み漁る会。
やることは2回生と同じ訓読を行って分からない所は辞書を引くという事。
ただ先生との距離が近く、聞きたいことをすぐに聞けるフットワークの軽さがあった。
通常の授業にはないメリットだ。
この時に使用したテキストと工具書は以下の通り。
テキスト:標点本 各正史の倭人伝
工具書:『新字源』、『大漢和辞典』、『漢語大詞典』、『佩文韻府』
■工具書について
テキストや一部の辞書は2回生の時から使用していたもの。
ここでは新しく2つの工具書の使い方を教えてもらった。
すぐろの大学では学部生は『新字源』『大漢和辞典』を引けばそれでいい事になってたけど、
助教からもっといいのがあると教えてもらった。
授業だけ受けてたら使う機会すらなかっただろう。
まずは『漢語大詞典』から。
個人的に辞書の中では最上級と思っている。
収録されている語彙数は『大漢和辞典』を抜いてトップ。
中国語(簡体字)なのはネックだけど、これは便利。
大抵はここまで調べると決着がつく。
そして『佩文韻府』。
最初に言ってしまうと、東洋史の学部生までは、ほとんど使わない。
すぐろの場合は院でもそんなに使用頻度は高くなかった。
ちなみに、どんな工具書かというと、韻文を作る際に、その漢字や語句が過去のどの書物に載っているのかを記したもの。
成立はなんと清代wwwwww
21世紀でも現役wwwwww
しかし侮るなかれ。これを使えば、過去の用例とか出典を調べるのにも便利。
当時は「用例」とか「出典」がよく分かっていなかったので、
やっぱりあまり使いこなせていなかったけど。
あと、調べる方法が難しい。
「四角号碼」という漢字の形から引く方法を使うと早く引けるのだが、
これが習得するのが面倒だった。
ちょっとしたトラウマになっている。
ここまでは「漢文って読むの楽しい♪」って思えてた幸せな時期。
辞書を引いて意味を調べて、訓読すればいいから。
今思えばそりゃ楽しいわなと思う訳です。
先生からの追及もほとんど無いし。
訂正する場合も優しいし(笑)
でも大学院へ入ると空気は急変する。
その分、一番勉強になったのもこの時期。
続きはまた次回。
ではでは・・・(*´▽`*)
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